赤ちゃんのご出産、おめでとうございます。
これから育児生活の始まりですね。
今、完全母乳を目指しているのに、産後すぐに母乳が出なくて、ミルクを足していいかわからなくて、困っている人に、是非読んでもらいたい。
子育てをしていると、色々な考え方に出会うことがあります。
その中でも、信仰みたいになっている考え方があります。
この母乳育児信仰には、ほとんどのママが出くわすんじゃないかな。
出会う場所は、産院。
特にこだわりの強い助産師がいるところでは、完全母乳を目指さないといけない、という空気が漂っています。
母乳育児信仰に惑わされ、母乳が思うように出ないと気分が落ち込んでいる人は、意外に多いものです。
あなただけじゃないんですよ!
そんな母乳信仰助産師に出会っても、惑わされず、育児を楽しんで欲しい!
私の体験談をお伝えしたいと思います。
母乳育児信仰って?
現代医学が発達した現在でも、なぜか妊娠と出産にまつわるものは、医学や文明を排除しようとする考え方が、日本ではまだ一部に強く根付いています。
例えば、痛みに耐えてこその出産。
こんな考えがあるのは日本だけで、他の国では無痛分娩も普通なんです。
痛みに耐えてこそ。自然なものが一番。
非合理的な考え方ですが、痛みに耐えない出産や文明を使った育児は見下されるんです。
帝王切開だったら楽して産めていいね。
よく言われたものです。笑
母乳育児信仰も同じで、お母さんの母乳こそ真の愛情であり、目指すべき母親像になっています。
◎誰でも頑張れば母乳は出るのに、ミルクに頼るな。
◎ミルクに頼ったら母乳育児はできない。
◎ミルクは発育に悪い。
◎母乳を通して赤ちゃんのは愛情をもらう。
こんな事を平気で考えている人も多いんです。
特に、産院の助産師にも多く、入院中に知らないうちに信仰に入会させられていて、追いつかない現実に気持ちが晴れないまま母乳育児をしているママの多いこと。
特に初産婦さんに多いです。何もわからないままだから。
それで、母乳分泌が軌道に乗る前から、過度にミルクを与える事を拒否するママが増え、結局赤ちゃんの体重の増えが悪かったり、飲めているのかわからないまま不安だったり、頻回授乳で体も心も疲弊してきて‥という悪循環が起こるのです。
完全母乳育児はママのエゴ
そもそも、母乳育児は素晴らしいものです。
WHOだって推奨してるし、疫学的にも栄養的にも素晴らしい。
赤ちゃんとの密着コミュニケーションが楽しい。
私もそう思うから、母乳を出すために頑張りました。
出来れば完全母乳でいきたい。
でも、完全母乳が1番偉いなんて1ミリも思っていません。
完全母乳じゃなきゃ絶対ダメ!という考え方は、あくまでも母親のエゴです。
WHOが推奨しているのはおそらく、公衆衛生の良くない環境での育児の場合、赤ちゃんの命を守るために、母乳育児をしたほうがいい、という意味合いもある。
フランスなんかは、すぐミルクに切り替えるママが多いそうですよ。
1日1回の母乳でも立派な母乳育児
母乳育児は、全部母乳でしなくてもいいんです。
ミルクを足したって、1日1回でも母乳をあげれば、立派な母乳育児です。
貰い乳、という言葉を知っていますか?
昔、母乳分泌が悪かったお母さんの赤ちゃんには、母乳分泌のいいお母さんの母乳をもらって、命をつないだのです。
今も昔も、みんなが最初から母乳が出たわけじゃない。
補いながら、赤ちゃんの成長を支えていったのです。
あなたの母乳だけが愛情じゃない。
だから、完全母乳を目指していても、母乳の分泌が軌道に乗るまでは、ミルクを足しても大丈夫です。
もちろん、完全ミルクにしてもいい。
母乳をあげることだけが全ての愛情じゃないですもんね。
子供たちにミルクの授乳を通して、たくさんのスキンシップと愛情を通わせましたよ。
私は最初の1週間でつまずいた
私も、母乳信仰に入会させられそうになりました。
入院中は、みんな母乳のことしか言わないし、母乳母乳と、母乳に縛られている気分でした。
長男出産後、もちろんミルクは足していましたが、母乳分泌が良くなるようにと、頻回授乳をするため、ミルク足しを少なめにしていました。
退院時はまだ母乳が滲む程度だったのでがっつりミルクをあげていましたが、退院翌日に母乳が出始めてから、ミルクをだいぶ減らしたんです。
母乳を出さなきゃっていう強迫観念から。
赤ちゃんの機嫌もいいし大丈夫と思っていたんです。
で、1週間後の母乳外来に行ったら、全然体重が増えてなくてショックを受けたんです。
担当の助産師さんには、ミルクを足しなさいって言われたんです。
その時、素直に思いました。
赤ちゃん、ごめんねって。
母乳分泌をよくする為って、赤ちゃんの為って思ってたけど、お腹すいてたよねって。
それからは、計算してもらった分のミルクを足して、また1週間が過ぎました。
分泌過多になるくらいの母乳が出た
そうして、たくさんミルクを足していました。
あとは、よく起きる夜中に頻回授乳をしました。
すると、ミルクを足し始めてから2週間後くらいの昼間の授乳後。
プシューッ!!ヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=3
口から噴水みたいに母乳を吐く息子の姿が‥!
しかも、何日も続くんです。
病気かと思って産院に行きましたが、「たぶん母乳の飲み過ぎです」って言われました。
ええー!先週まで足りなかったのに、もう飲み過ぎになってるの?
慌ててミルクをやめ、授乳回数は少しだけ減らし、授乳時間も短くして対応しました。
ちゃんと体重も増えていました。
そう実感した瞬間でした。
私の場合は1ヶ月で完全母乳に移行しました。
でも、すぐ生理がきてしまったので、生理中にしんどい時は無理せずミルクで足したりしていました。
暑い夏、水分補給のために、少量のミルクを飲ませたこともあります。
2人目の産後は母乳信仰に気をつけた
2人目の出産は、1人目と病院を変えていました。
総合病院ですが、完全個室の母子同室。
母乳育児にも力を入れています。
そしたら、やっぱりいるんですよ、母乳宗教者が。
気をつけていたはずですが、わたしの『できれば母乳で』発言が『絶対母乳で』に変換されてしまったよう。笑
3日分の弁当と水筒を持って生まれてくる発言もありました。
これは医学的にはうそですよね。
数日はミルク足さなくても大丈夫、なんて言うし、傷が痛んでしんどい時に新生児ルームに預けていても、そんなにミルクを飲ませてもらえなくて。
気づいたら生理的体重減少も10パーセントくらいになってしまい、4日目からやっと増加に転じたのです。危ない危ない。
私の母乳も、乳頭保護器という文明の力を早めに使った事により、母乳分泌も前回より早く、2日目には滲み出て、4日目には少し飲めるようになりました。
その後も順調に飲めるようになり、2人目は産後3週目に、哺乳瓶拒否をして強制的に完母になりました。
ミルクを飲んでくれなくなり、実家に預ける時に大変だったり、お兄ちゃんが哺乳瓶でミルクをあげられないって悲しんでいました。
育児を楽しむために
母乳育児信仰に出会った時、心の中でこう思うようにしています。
ちょっと意地悪かもしれません。笑
でも、あなたが医療の力で栄養をもらうことと、赤ちゃんが文明の力で栄養をもらうこととの間に、何か違いがあるでしょうか。
全く母乳が出ないのであれば、ミルクでいいじゃない。
ちょっと母乳が出るなら、混合でいいじゃない。
母乳が出て、母乳で育てて、それが私の愛情だと自慢する人もいます。
でもね、昔の人は、母乳が出るお母さんから母乳をもらって、赤ちゃんの生命を繋いできたんです。
今より母体死亡も圧倒的に多かった時代。
粉ミルクがなくて、病気になったり命が消えたりした赤ちゃんもたくさんいた。
母の愛情は、子供の命をつなぐこと。
それが一番だよねって思うんです。
それが母乳にこだわってもミルクにこだわっても、形は関係ないです。
赤ちゃんがおっぱいを吸うのって、可愛い。
哺乳瓶でミルクを飲ませれば、お兄ちゃんがとっても喜んでくれます。
どんな形であろうと大丈夫。
思い詰めず、育児を楽しんでいきましょう(^^)
コメント